男性更年期障害イメージ
  • 加齢やストレスなどにより男性ホルモンが低下します。
  • 男性ホルモンが低下すると、性機能のみでなくうつ症状、倦怠感、筋肉、骨、認知機能への悪影響など、様々な問題があると言われています。
  • 男性更年期障害に対する男性ホルモンの補充治療はあまり一般的ではありませんでしたが徐々に注目が集まってきています。
  • 原因がはっきりしない体調不良が続く方や、AMSスコア(下にお示しした男性更年期障害の診断スコア)が高い方は一度ご相談ください。

男性更年期障害とは

男性更年期障害は加齢とともに男性ホルモン(テストステロン)が低下し、それにより心身に様々な症状が起こる病気です。医学的にはLOH症候群と言われます。男性ホルモンの低下は性機能への影響のみでなく、うつ症状、倦怠感、筋肉や骨への悪影響、認知機能への悪影響など様々な問題があると言われています。心身の健康にとって男性ホルモンは非常に重要です。

年齢による男性ホルモンの低下のみではなく、ストレスなどによっても男性ホルモンが低下してしまうので、30-40歳代の若い方でもこの状態に陥ってしまっている方もいます。

加齢やストレスなどに伴う男性ホルモン低下が心身に悪影響しているような場合は積極的に治療を行うことで多くのメリットが期待できます。

女性の更年期障害は閉経前後で起こり時期も分かりやすいため広く認知されていますが、男性の更年期障害はあまり認知されていませんでした。欧米では広く治療されており、日本でも徐々に注目が集まってきています。

男性更年期障害は泌尿器科で診療されることが多い病気ですが、ホルモンの疾患ですので内科の中では内分泌内科が専門になります。男性更年期障害のある方は糖尿病や脂質異常症など他の内科疾患があることも多く、内分泌内科専門医としてこれらの疾患を総合的に診療していきたいと考えています。男性が心身ともに健康に長生きするための選択肢として、男性更年期障害の治療は今後さらに重要になってくると思います。

男性更年期障害の症状

男性更年期障害では性機能の低下のみではなく、心身に様々な症状が出現します。うつ症状、疲労感、短気、記憶力や集中力の低下、睡眠障害、筋力低下、骨量低下など様々です。何となく調子が悪い、元気が出ないことが続くという場合、男性ホルモンの低下が原因となっている可能性があります。

男性更年期障害の診断

血液検査で男性ホルモンの値を測定します。男性ホルモンの値が低く、男性ホルモン低下によると思われる症状がある場合は診断となります。症状の評価のために使用される代表的なスコアが以下のAMSスコアです。それぞれの項目の点数を合計し、合計点数が17-26点は症状なし、27-36点は軽度、37-49点は中等度、50点以上では重症とされます。

AMSスコア

男性更年期障害の治療

男性ホルモンの補充が治療となります。日本では注射治療が保険適応になっており、2-4週に1回注射を行います。塗り薬もありますが保険適応外となっています。漢方薬が使用されることもあります。サプリメントでは亜鉛が有効であると言われています。